DIY!自作ポータブル電源!⑥ 最終話
2019/05/15
さて、長らく書いてきました、自作ポータブル電源の記事もついに大詰めです!
自作ポータブル電源の最終組み立て
目 次
まずは、実際に組み合わせる機器ですが、続々と届いてきています~!
「発送:中国」ということで、だいぶ遅れて到着予定だった、キルスイッチと電圧計も、思いのほか早く到着してきています。
届いただけで何だかわくわくしますね。笑
- 本当にうまく稼働してくれるの?
- うまく箱に納まるの?
- 計算どおりの時間、つないだ機器を使用できるの?
などなど、不安はいっぱいですが、自分がこれまで考えて・悩んできた経緯を信じて、ゴールまで突っ走ってみようと思いま~す!
さては、まず、
ポータブル電源収納箱を作り出す!
ということから始めようと思います。
収納箱の材料を切り出す
では、早速いつものように木材を切り出していきます。
以前買った、t9の合板の端材から切り出します。実は、この端材からちょうどよい感じで切り出せるような大きさで設計しています。
無駄がないように経済的に物を作っていけるのも、DIYの良さですよね。
全て切り終わりました。穴あけ部分も、くりぬきノコとドリルでくりぬいて行きます。
収納箱を組み立てていく
次に、手順どおりに組み立てていきます。
今回は家具と違って大きいものではないので、切り出しが終わったら、室内でも組み立て作業が出来るので楽ですね。
大体組みあがってきました。
取っ手を考える
取っ手なんですが、どうしようかずっと迷っていました。それなりに重いものなので、適当な取っ手では下手したら本体まで破壊しかねません。
- トランク取っ手など市販品を付ける
- サイドに取っ手用の穴をあける
- 木の出っ張り取っ手を付ける
- オカモチ風の取っ手を付ける
この4つを考えました。
- トランク取っ手は頑丈さでは一番なのですが、鉄やステンレスなので結構重い。。。
- サイドに穴あけは、最も重さ的に優秀なのですが、野外に置いていたら虫が入ってきたりしそう。。。
- 木の出っ張り取っ手は軽いけど、持ちにくいかもしれない。。。
- オカモチ風の取っ手だと、せっかくのキレイな矩形の箱なのに、周囲にゴテゴテと色々付けることになってパッとしないし、小フタを開けるときに干渉しないように、長モノにする or 回転式にする必要がある。。。
しかし、上記のようなそれぞれデメリットがあります。。。
どうしようか、色々悩みましたが、結果、
木の出っ張り取っ手を付ける!
ということしました。りんご箱の取っ手みたいな感じですね。
下側に強度不足にならない程度の溝を彫って、持ちやすくすればどうにかなるかな?ってところです。
早速、庭で端材から切り出して、ディスクグラインダー + サンディングディスク で、掘り込んでいきます。
角もなるべく丸く削って、出っ張り感を少しでも抑えていきます。形ができあがったら、本体の側板に、裏からビス止めします。
箱型のままだとやりにくかったので、一旦、組み立てた本体を解体してから ビス止めしています。
インバーターの排熱用の穴をあける
設計図を書き上げた後に気づいたんですが、インバーターの裏側に、排熱用の小さなファンが付いていました。。。
なので、このままだと、インバーターからの排熱によって、箱内に熱気がこもる可能性があるので、本体裏側に 排熱・排気用の穴 をあけておこうと思います。
そこそこ大きい穴をあけるので、虫が入るのを防ぐために、裏からアミをビス止めします。
ちなみにこのアミ、100円ショップで買ってきた目の細かいフルイからハサミとニッパーで切り出したものです。
穴は、ホルソーでφ51mmの穴 をあけています。あけた穴の周囲は、キッチリとサンディングもしておきます。
解体した状態なので、穴あけや、アミのビス止めも楽ですね。笑
延長コード用の出入口穴をあける
ここで、、、またふと思いついたんですが、インバーターにつないだ延長コードを、大フタ内に収納して、コードを出す長さを調節できたら便利だな! と思ったんですね。
延長コードも必要な分だけ外に出せば良いことになるので、見た目もスッキリして、スマートです。
というわけで、延長コードを若干の余裕を持って通せるくらいの小さい穴2ヵ所(出口と入口)を、小フタと大フタの間にまたがってあけることにしました。
(上の図は便宜的に2つの穴を上下に描いていますが、実際は同じ高さにあけます)
今回の穴は、普通のドリルビットサイズ(φ6.5mm程度までのサイズ)の穴では小さいので、以前買った、座ぐり穴あけ用ボアビット を使って、φ15mmの穴をあけることにしました。
フタと本体を切断して切り離す
次に、再度、箱型に組み上げます。
ここまで来てみると、はじめに箱型に組み上げたのは、だいぶ早かったようです。。。
組み上げる前にやることが色々ありましたね。汗
そして次に、フタ部分を切断 していきます。今回は小フタと大フタがあるので、2ヵ所を輪切りにしていきます。
今回のように、箱を組み上げてからフタ部分を切断して切り離す手順だと、フタと本体でのずれが生じにくい のでオススメです。
例によって、切り離したそれぞれの箱の、切り口をキレイにサンディングしておきます。
ここまで出来上がれば、後は室内でも作業ができます。
とりあえず、ここでバッテリーを入れて問題なさそうか確認します。今さら入らなくてもどうにもならないんですが。。。汗
しっかりとピッタリ入りました!
前回の 足場板の古材でダイニングテーブルを自作する での大失敗もあるので、内心結構安心しています。笑
次に、丁番や掛け金を設置してしまいます。
収納箱の塗装をする
ここまでで外形はおおかた出来上がりです。
正面
背面
小フタを開けたところ
大フタを開けたところ
次に、今回はここで塗装をしてしまいます。
塗装はいつものように、ワトコオイルのミディアムウォールナットの2度塗り で仕上げます。
塗り終わりました~! 今回は塗料をケチって、内部の塗装はしません。笑 ワトコオイルの塗り方はこちら。
完成へ向けて最終段階
後日、塗装が乾いたら、電圧計とインバーターを設置していきます。
インバーターを置く棚板はこんな感じです。
インバーターの固定は、写真のように、端材を小さく切って木工用ボンドとクギで設置した ストッパー で動かないようにはめ込み固定させます。
このストッパーたちの位置やサイズは、実際に棚板にインバーターを載せて、位置やサイズ合わせをしながら決めました。
箱の中ではこんな風に配置されます。
ほぼ出来上がりになってきました~!
バッテリーは配送から到着した際に、すぐに充電器で充電しておきました。ほぼ満タンぽい感じでしたが、バッテリーの説明書に「到着したらすぐに充電すれよ」と書いてあったので、一応しておきました。
またもや想定外の問題が発生!
バッテリーにキルスイッチを付けて(OFFにしておきます)から、箱内に収納します。。。
しか〜し、ここでまた大問題が発生です。
キルスイッチには「M6のボルトに対応」と書いてあったと思ったので、当たり前にそう思っていたのですが、、、確かに片方はM6なんですが、もう片方はなぜかM16くらいのデカボルト!
バッテリーに付ける時はこれが当たり前なんでしょうか???
私が知らなかっただけかもしれません。。。泣 と思ったら、よくよく商品説明を読むと「パイルヘッド直径17mmバッテリーに適合」とか書いてありました。。。ただの見落としです。
悔やんでも仕方ないんですが、いずれにしてもこんなデカければ、当然丸型端子は入りません! 丸型端子はM6用で用意していますから。。。
う~ん、困りました。 色々考えた末、うちにあったM6ボルトとナット、ワッシャー類を組み合わせて・・・ こんな風にすることにしました。
右側をバッテリーに接続、左側のボルトに丸型端子を接続して蝶ボルトで止める予定です。やっつけ仕事ではありますが、一応どうにか問題はクリアできました。
いや〜、思い通りにはいかないもんですねぇ。汗
計画通り配線の結線をしていく
キルスイッチをつけたら、バッテリーを収納箱の中に入れます。
そして、電圧計はあらかじめプラス線を延長&丸型端子を付けておきます。
次に電圧計を収納箱の正面外側にセットしてから、バッテリーに結線します。
今度は、インバーターです。インバーターを収納箱の中に入れる前にバッテリーと結線します。
あらかじめ作っておいた 3.5sqの配線 の端部に丸型端子をつけておいた配線を使います。
その後にインバーターを棚板に載せて箱内に収納します。
3.5sqの配線が少し長めな上に硬いので、うまく取り回さないとなりません。
最後に大フタ内に、収納するつもりだった、ランプや延長コードを入れます。
そして、、、ついに出来上がりました~!
見た目はいい雰囲気ですね~! 自然の中でのキャンプでも文明感を感じさせないシンプルな箱型デザイン&カラー。笑
とりあえず持ってみると、、、そりゃ重いことは重いんですが、充分持ち運ぶことはできるような重さです!!!
充電する時は、
- キルスイッチをOFFにする
- バッテリーのプラスターミナルに充電器のワニグチを接続する
- バッテリーのマイナスターミナルに充電器のワニグチを接続する(キルスイッチではない)
と言う感じですることで、充電中は通電していない状況にできます。
※ シールドバッテリーではありますが、万が一水素が漏れないとも限りませんので、充電中は換気の良いところに置くことをオススメします。
バッテリーを交換する時は、インバーターを乗せている棚板ごと取り出して、電圧計を外せば、簡単にバッテリーを取り出せる、と言うわけです。
あと、この収納箱の高さ、ちょうどローテーブルと似たような高さなんですね。なので、ちょっとソロキャンプ! なんかの時は、ちょっとしたテーブルとしても活躍してくれます。
初めての電源ON!
まずは、恐る恐るキルスイッチをONにしてみます。
おおお!電圧計が点きました!
これだけで感動。笑
はじめは13.2Vでしたが、少し経つと、13.0V で定着しました。
次に、インバーターをONにして、一応ランプを接続してONにしてみました。
バッチリ点灯しました~! しかも目の前なので、恐ろしいほどの明るさ。
インバーターの音もほとんど気になりません! あとは、想定していた時間もつかどうかですね!
でも、電灯をつけたらすぐに電圧が 13.0V → 12.9V に下がりました。大丈夫かな。。。汗
延長コードを大フタ内に収納して、コードをスマートに隠すという使い方はこんな感じです。
まとめ
昼間天気の良い時に、外に出して撮ってみました。やっぱり明るい方が雰囲気がよくわかります。
真正面からも撮ってみました。インバーターや電圧計の感じもよくわかります。
小フタの左の方の若干の隙間が気になるところですが、、、木のゆがみなので仕方ないですね。これもDIYの味としておきましょう。
今回は、計画~完成までの道のりが、何だか長かったので、本当に感動です。笑
途中、間違った買い物もしてしまったり と、恥ずかしい紆余曲折もありましたが、どうにかここまでたどり着きました~!
電圧計など、追加で買ったものもあるので、今後の記録の為にも、購入したものをリスト化しておこうと思います。
それぞれのマニュアルも、手に入れられたものはまとめておきました。
(電圧計のマニュアルは「たぶんモノは同じだろう」って感じのものをネットで見つけました)
★ マニュアルをこの記事に保管しておけば、無くすことはありませんし、出先でも閲覧できますからね~! 本当に便利な時代になったものです。
商品名 | 重量 | 値段 | MANUAL |
台湾LONG バッテリー U1-36NE |
10.7kg | 8750円 | アリ |
BAL(大橋産業) 3WAY インバーター 200W No.1757 |
0.8kg | 3250円 | アリ |
セルスター 12Vバッテリー充電器 DRC-300 |
0.52kg | 3706円 | アリ |
Lovoski キルスイッチ |
0.15kg | 510円 | ナシ |
KKHMF デジタル電圧計 |
0.05kg | 190円 | アリ |
自作ポータブル電源 収納箱 |
4.5kg | 無料 (端材のため) |
|
収納箱の丁番、 掛け金、アミなど |
0.1kg | 600円 | |
合 計 |
16.21kg (充電器を除く) |
17006円 |
結果的に 17000円 かかっています。
もっと安く済ませるなら、振り出しに戻りますが、前も書きました、
これで良いですね。
今回の自作ポータブル電源と性能比較をまとめるとこんな感じです。
項 目 | Meltec ポータブル電源 SG-3500LED |
自作ポータブル電源 |
重 さ | 8.3kg | 16.21kg |
容 量 | 240Wh | 432Wh |
使用可能な 消費電力 (インバーター能力) |
120W | 200W |
価 格 | 12120円 | 17006円 |
確かに性能の差と値段の差を考えれば、自作ポータブル電源の方が全然お得な感じですが、作る労力や計画する時間を考えると、もしかしたら買ってしまったほうが良かったような。。。汗
まあ、そのあたりは考えないようにしましょう。笑
最後だけ見ると、ここまで来るのに、色々作ったり、検討したりと、大変に感じてしまいますが、1つ1つの作業はそんなに大変なものでもありません。
なので、○月までに完成させるぞ!的な制限をかけずに、気長に毎週末ゆっくり少しづつ作っていくと、案外、大変って感じでもないのかなあと思いました。
DIYですから、組み合わせ機器類は全て交換が簡単ですので、消耗品を交換しつつ、なが~く活躍してくれればなあ、と思っています。
まずは、もう春ですので、さっそく、キャンプで使用してみようと思います~!
楽しみですね~!
<17.08.01 追記>
もともとはキャンプ用に作ったものでしたが、実際はキャンプりも、車中泊旅行で大活躍してくれています。笑 出先で大容量の電源が使用できると言うのは本当に便利です。いかに文明の利器に頼って生きているのかがよくわかりますね。笑
1ヶ月以上ディープサイクルバッテリーを放置してみた
<17.09.06 追記>
最近使用しないで、1ヶ月以上放置していました。最後に使用したとき、電圧は12.8Vだったのですが、先日、1ヶ月ぶりのONにしたところ、12.7Vとほとんど電圧状況が変わっていませんでした! 自然放電がどのほどか?とは思っていましたが、キルスイッチをきちんとOFFにしておけば、1ヶ月放置しても、気になるほどの放電は無いようでした。安心ですね~。
<17.11.06 追記>
キャンプで毎回のように使用していますが、最近若干「重さがツライ」と思うようになって来ました。。。もっと気軽に片手でヒョイヒョイ持ち歩けるようなポータブル電源も欲しくなって来ました。。。
というわけで、近々、ちょっとした1泊のソロキャン程度にちょうど良い、小型のポータブル電源も自作を検討しようかと思います!お楽しみに!
<18.06.21 追記>
あれから1年ちょっと。
最近出てきている、ポータブル電源(リーズナブルな価格帯のもの)をちょっと見てみました。
これで、13500円程度。
手ごろな値段ですし、見た目もカッコいい!そして、USBや一般コンセントなど、ジャックも豊富で使い勝手も良さそうです。
が、
容量は、150Wh。。。
自作ポータブル電源の3.5割程度の容量 しかありません。。。やっぱり今でも、作ったほうがリーズナブルはリーズナブルですね~!
「DIY!自作ポータブル電源!」全記事のまとめ
この記事、かなりの長編記事なので、見たい記事に簡単に飛べるようにまとめました~!
良ければここからお好きな記事にお飛び下さい~!
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